久しぶりにヲタクをやってみた話

「めぐさん、お誕生日おめでとうございます。31歳、新しい生活がスタートする特別な年になりますね。素敵な1年を、そして素敵な人生をお過ごしください。」

これは1年前、私がツイッターで推しに送った最後のリプライ。推しというのは、新潟を中心に活動するアイドルグループNegiccoのMeguさんである。

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たまたま訪れた新潟でNegiccoのライブを見てファンになったのはもう12年も前になる。

細かいことを諸々省くと、推すきっかけはNegiccoの3人の中で最初に私のことを覚えてくれたのがMeguさんだった、という単純なものであった。


いきなりネガティブなことを言うのも気が引けるが、この数年間で緩やかになっていく活動に加えて、昨年からコロナで観客を入れてのイベントの中止によって、気持ちが離れつつあったのは(認めたくはない)事実である。コロナ禍で配信イベントを頑張ってくれているが、現場にいてこそ味わえる空気感も含めて楽しいものだと感じていて配信が苦手な私は、この1年は配信チケットを買ってはいたがほぼ見ないという、ろくでもない感じであった。

以前は大袈裟ではなく平日も含めて毎週現場に行っていたことを考えると、自分がヲタクだという気持ちは微塵もないくらいになっていた。実際、今回久しぶりに顔を合わせた皆さんには、他界した(=ファンを辞め、現場に来なくなる)と思われていたようだった。


そんな中、Meguさんが6月3日に誕生日を迎え、3年振りに新曲をリリース、生誕イベントを開催ということで、久しぶりにヲタクというものをやってみようと思った。

6月3日の誕生日当日のラジオ出演から、6日のイベントまでの4日間、久しぶりに新潟へ滞在し、推しの姿を見てきた。

最後のリプから1年と書いたが、実際に会うのはそれ以上の月日が経っていた。


3日は、平日夕方のラジオ出演ということもあり、10人程度の観覧客しかいなかった。出演後、Meguさんは以前と変わらない様子で色々と私に話し掛けてくれた。しかし、前述の通り変わってしまった私は、後退りしながら、彼女に対して聞こえないくらいの声で「おめでとう」と言うことしか出来なかった。

久しぶりに会った推しに抱いた感情は、「嬉しい」でも「かわいい」でもなく、「申し訳ない」だった。 これは自分でもショックだった。 あと3日でプラスの感情で帰れるのか、なんてことを考えてしまった。

翌日以降、ラジオ出演では、トーク上手くなったなぁとか、聖火リレーでは、新潟市の代表で走る姿を(遠くからだったけど)目にする日が来るなんて感慨深いなぁなどと、初日とは違い負の感情を抱かずによかったよかったで終われたので、最終日の生誕祭はただただ楽しもうという気持ちで迎えることが出来た。


最終日。 正式なイベントとしては1年4か月振りの参加となる生誕祭。

ヘアメイクを担当している Mashinoさんと、CD デザイン等を担当している伊藤岳さんを迎えてのトークイベントだった。


このイベントで、事前にファンクラブで募集していた質問を採用してもらった。

私の質問は、『Meguさんから見て、ゲストのMashinoさん、岳さんが、ご自身やNegiccoの「こんな所を引き出してくれる」「こんな発想がすごい」と思う所を教えてください。また、Mashinoさん、岳さんが、メイク・撮影をしていて感じるMeguさんの魅力を教えてください。』というものだった。

それに対してのお答えをざっくり書くと、
め→ま

目が切れ長、つっていて、そこがすごくコンプレックスに感じることがあったけど、それを良く見せてくれる。 あえてタレ目っぽくするとかじゃなく、そのコンプレックスを良く見せてくれるメイクをしてくれる。

め→岳

本当に優しい。ああやってこうやってと言わず、自分たちの良さをわかってくれているから、自然にやりやすく撮影が楽しい。

ま→め

ショートヘアだけど作りがいがある。 同じショートスタイルで黒髪で、 メイクやコスメなど共通点、共通の話題が多くてお仕事でご一緒してるけど、心の中で通じ合っているような。


岳→め

すごい研究しているのかなと思っていて、自分でどう撮られたらどう写るかというのを考えている。Negiccoの3人で撮影する時に、ソロを撮るのはMeguちゃんが最初。初めての撮影だとどういう感じになるか見たいから、Meguちゃんを基準にやりがち。

とのことだった。

ちなみに質問が読まれた時に、たまたま隣の席だった知人から「真面目か」と言われたのだが、それは募集のお知らせ文に本人が目を通すという文言があったことと、1年以上リプもしていない人に対してボケるのを躊躇したという変な真面目さのせいである。

更にちなむと、その質問を読まれた中 (7人)から3人が当選するというプレゼントに落選する、うん、知ってた。みたいな運のなさもあり、そう言えばこういうの当たったことなかったなというのを思い出したりもした。



イベントの最後に、新曲「太陽と星の狭間で」を披露してくれた。

Meguさんは、思うように歌えなくなり、 試行錯誤しながらステージに立っていたように見えた近年であったが、今回の曲は状態を熟知しているプロデューサーのconnieさん作ということもあり、今パフォーマンス出来る歌い方や歌声に本当に合ったもので、込められた想いが伝わってくるような、感動すら覚える歌唱だった。

目の前で、ライブで味わえる大好きだった空気感。久しぶりの感覚だった。


最後の挨拶で、Meguさんは「3年という空白、その間ソロを出す勇気がなくて、今回のリリースで今の自分が最大限引き出せる歌とビジュアル、作品でリリースさせてもらえて嬉しかったです。曲を聴いた人たちからの沢山の嬉しいお言葉やコメントで、自信がなかったけど、自信を取り戻しつつあるし、これからもNegiccoとしてはもちろん、ソロとしても作品を出していけるようになりたいと今では笑顔で言えますし、作品を楽しみにしてくださっている方の為にも頑張っていきたいと思います。」と話してくれた。

この数年間のことを思うと、歌うことに前向きになってくれたのは本当に嬉しいことだった。

また、イベントの中で「ソロで次回出すとしたらこんなのやりたいなみたいなのはある。曲のイメージに合うかわからないけど、何個か自分の中にある。」という言葉もあったので、せっかくの構想は画として見てみたいし、Meguさんの頭にある構想を先行で曲を考えてもらって(ミニでいいので)アルバムの作成を、そしてソロライブを是非に、と願わずにはいられない。

雪田社長なら実現してくれると信じている。



様々なことがありながら、解散や引退をせずに活動を続けてくれている。そのことが一番嬉しいことではあるが、Kaedeさんのようにソロでの活動も増やし、今のMeguさんを確立して、またグループの力を底上げしてくれるのではないかという大きな期待を抱かせてくれた。

初日に受け取れなかった「嬉しい」も「かわいい」も回収することが出来た、そんな良い日だった。



最後に、私は不器用なので色々な人を同じような熱量で応援するということが出来ない。

Negiccoを応援することで、年代も住まいもバラバラな友人も増え、立つステージが大きくなっていく様子も含めて色々な景色を見せてもらった。人生を豊かにしてもらった。本当に感謝している。

推しを増やそうとも減らそうとも思わない気持ちは変わらないので、これからも人生で唯一の推しであるめぐさんの活動だけは、緩やかにでも、遠くからでも、見守っていけたらと思っている。


というわけで、4日間だけでしたが、久しぶりにヲタクに戻してくれためぐさんありがとう。というお話でした。


めぐさん、お誕生日おめでとう。